皆さんこんにちは、英学です。
「ライフ・シフト(リンダ・グラットン著)」という本をご存知でしょうか?日本では2016年に翻訳されてベストセラーになった本で、100年時代の人生戦略について書かれたものです。
英語を勉強して将来自分の活躍の舞台を広げていこうと思っている英語学習者の皆さんが将来どのように英語を武器にして仕事をしていこうかと考えますよね?英語のスキルを身につけたものの今後どのような社会を生きていくことになるのか分からないと進むべき道も分からなくなってしまいます。
この記事では日本における「人生100年時代」とはどのようなものなのかを短く分かりやすく解説しますので、是非最後まで読んでみて下さい。英語を身につけた後に英語を武器としてどのような人生を切り開くかということを考えるう上でヒントになれば嬉しいです。
【目次】
1、「人生100年時代」というのはどういう世の中なのか?
日本における「人生100年時代」というのは文字通り多くの人が100歳まで生きる時代が来るということです。これまでは100歳まで生きられる日本人の数は人口の1〜2%程度でした。日本人の平均寿命が50歳を初めて超えたのは1947年だったことを考えると、これだけでも凄いことにです。
しかし、さらに驚くべきことは2007年生まれの日本人が100歳まで生きられる確率は50%と劇的に増えたのです。これはまさしく「人生100年時代」と言える推計と言えるでしょう。
今まで人生は80年と言われてきました。それが急に100年となると生き方を変える必要があるのです。そのことをきちんと理解し、意識してプランを立てないとせっかく長くなった寿命を不安なものにしてしまいます。
今多くの日本人が漠然と抱えている不安はまさに「長生きリスク」だったりしますよね。その不安を解消するための鍵があるのでこの後も読み進めてみて下さい。
2、人生のステージがマルチステージ化し、流動的になる。
我々の親世代までは人生は教育・仕事・引退という3つのステージに固定化されていました。二十歳前後まで学校に行き、教育を受けて、その後40年くらいほとんどの人は1つの会社で働いて、その後は年金をもらいながら老後という余生を送るという流れです。この固定化された3つのステージが「人生100年時代」になったら崩れていくことになります。
2019年にはトヨタ自動車の社長・豊田章男社長や経団連の中西会長から終身雇用制度を継続していくことに懐疑的な発言がニュースで取り上げられました。また、学生の一斉採用や社会人の中途採用など企業の採用の仕方も今までのあり方を見直す動きが明らかにされました。
このことからこの「ライフ・シフト」という本で語られている内容が日本社会においても徐々に現実味を帯びてきているのです。
「3ステージ制」→「マルチステージ制」へ
マルチステージ化すると自分で仕事を作るとか、本業以外で自分が出来そうな仕事を探してそのためのスキルを身につける勉強をする必要が出てきます。
働き方は今までのように1つの会社で長く働いて出世のために頑張るというものではなく、次々に自分のスキルを活かせる仕事に移っていかないといけないというものになっていくでしょう。これまでのような「教育→仕事→引退」という旧来的な人生の流れの中では生きにくくなるということを示唆しています。
今まではそれなりのレベルの大学を卒業してある程度の企業にさえ就職できれば、その後はそこまで一生懸命勉強しなくても定年までクビになって職を失うほど困ることはないという人が多かったわけです。(これは日本に限ったことですけど。)
ただ、これからの時代は技術の進歩はさらに加速し、情報の流通量は飛躍的に増えて高速化する中で、今までの世代よりも長い年月働くことが確実なわけです。そのような社会の中で学生時代までに習った教育だけで定年までどうにかやっていけると考えることは現実的ではないのは明らかですよね。
今までは「教育→仕事→引退」が固定化されている人がほとんどだった状態から「人生100年時代」には「教育→仕事→リフレッシュ→教育→仕事→引退」のように時代の変化によって自分自身も流動的に変貌し続ける人生プランがより合理的になるということだと思います。
3、無形資産を大事にする。
有形資産というのはお金や株、土地などいわゆる財産と言われるようなものです。今までの時代であればそれらのものがある程度あれば引退してからも比較的安心して暮らしていけるという時代でした。
しかし、老後が長くなるこれからの時代には無形資産も大事になってきます。生産性資産、活力資産、変身資産などとも言われています。これは自分の仕事のスキル、健康、人間関係、人脈のようなものです。お金に換算出来ないけれどこれらがとても重要なものになる時代です。逆にいうとお金に困らない状態であっても、不健康なまま良好な人間関係も人脈もなく孤独に過ごす老後は生き地獄ですよね。
これからは1つの会社に命を捧げ定年になって家族との時間が出来ても家族は他人のように冷たく、気づいてみたら会社関連の知り合いしかいないという状況は避けたいものです。そして会社を離れたら今までほど頼りにしていた会社関連の人とも会わなくなるという現実が待っています。会社の部下や後輩なども会社のつながりがあったからこそ愛想よくしてくれていただけという可能性も高いからです。
このようなことにならないためにも会社や仕事以外の人間関係や人との繋がりなど、無形資産を若いうちからちゃんと大事に作るようにしていないと、とても厳しい老後が待っていることになってしまいます。
人生のステージが流動的になること、無形資産を大事にしないと厳しいということがお分かりですね?
ではどう行動したほうがいいか?
これにはワークライフバランスを大事にするといいでしょう。ワークライフバランスを保つことで自分で全て意思決定できる状態を確保しましょう。そうしないと有形資産に対しても無形資産に対してもプラスに働きかけることが出来ない状況が続いてしまうからです。
僕も2年くらい前からボランティアの会に3つ同時に入りました。自分は英語を活かしたいので自分が住む地域の英語関係のボランティアガイド、まち歩きガイド、ボランティアバスガイドなどです。全てが1つに結びついているようなところもあるので地域貢献をしていくに従って地元での信用も高められ、今まで働いてきたこととは全く違う分野で活躍する機会を得ることが出来ます。そしてそれが今後もビジネスチャンスに発展することを期待しています。
地元の人たちと深く結びつくことで、英語のニーズなどを探ることが出来ます。そして地域の人に自分が持っているスキルを知ってもらうことが出来ます。自分の場合は英語で地元の人に役に立てるようなことを仕事にすることが出来ないかと、観光案内やホテルや旅館、交通機関などで英語の研修の仕事などを受注できないか可能性を模索しています。
すぐにビジネスとして提案しなくても、ボランティアとして初めてビジネス化していくこともやり方としては可能だと思うので、ボランティア→ビジネスという流れも信用力さえつけば可能だと思います。
このように英語学習者ならいたるところに英語を必要としている人や企業のニーズが転がっています。英語がある程度できれば自分で仕事を作ることはいとも簡単に出来てしまうので、まずはスキルを身につけて、信用をある程度獲得すれば1つの会社にしがみつくよりも人生楽に楽しく過ごせるようになります。
こうして時間的に余裕が生まれたことで精神的に病む可能性は低下していきます。また時間が出来れば定期的にジョギングしたりジムに行ったり、お医者さんの検診などにもいくことも可能です。
このようにして仕事一筋ではなく、会社以外の人との交流などを通して広い視野を持って過ごすことが出来るようになります。こうして大事にして無形資産を作ることをマルチステージ化した現代において強くオススメします。
結果的に家族で過ごす時間や接点も多くなれば仕事を辞めても家族から他人のように冷たい態度をされてしまうことも避けられると思います。
まとめ
「人生100年時代」とは
人生100年時代は多くの人が100歳まで生きる時代
↓
人生のステージが流動的になる
↓
無形資産の価値が高まる(英語のスキル、仕事以外の人間関係&信用構築)
↓
ワークライフバランスを保つことが大切になる
日本には年金受給の繰り下げ制度というのがあります。60歳から70歳までの間で支給開始のタイミングによってもらえる額が変動し、70歳まで受給開始年齢を繰り下げると42%増額されるというものです。
これは引退後に自分の資産だけで暮らしていて、もうダメだという時に支給額が増えていたらよりメリットがあるという、余裕のある人、長い間頑張った人に対してはセーフティーネットがより充実しているという発想のもと作られている制度です。
世の中の大半の人が勘違いしていることは、働かないで年金もらって生きていくというもの。このような発想をしていたら貧しい老後になってしまいます。
日本の年金制度の目指しているところは、より元気で長生きした時にもらえるご褒美であって、元気なうちはいつまでも働くという心構えが大事だということだと思います。そのためのありがたいセーフティーネットだという捉え方です。
だからこそこれからはマルチステージで可能な限り長く働いていくというキャリアの作り方がとても大事だと思います。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
「ライフ・シフト」をより詳しく読んでみたいと思った方は是非読んでみて下さい。
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