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Written by Gaku Hanabusa

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FRBとは何か?米金融政策がFXや株に影響する理由を元外銀マンが解説!

皆さんこんにちは、gAKUです。

 

今日は私が長年勤めていた国際金融市場の現場で得たマーケットの話をしたいと思います。私の仕事は主に海外の債券と為替相場の動きを24時間追い続けていないとできないものでした。

 

国内に魅力的な投資対象がない中、日本の機関投資家は外国の投資商品に積極的に投資しています。中でも市場規模が世界一大きい米国債や米国モーゲージ債などへの投資はとても活発です。

 

私はそのような投資家を顧客に持ち海外市場で外国有価証券を売買してきました。簡単に言うと日本のメガバンクや大手生保の資産運用担当者のコンサルティングのような業務をしていました。

 

世界の経済情勢を適確に把握して投資のプロにアドバイスをするわけですから、かなりプレッシャーのある仕事でした。彼らは動き出すと数週間で数兆〜数十兆規模の投資資金を動かします。そのような大金を売買するマーケット参加者の一人として業務に携わってきました。

 

この記事では、日本ですっかり定着したFX取引の基礎となるアメリカの金融政策について分かりやすく解説していこうと思います。

 

【目次】

 

まず米ドルを中心に、為替市場を大きく動かす可能性のあるアメリカのFOMCについて説明します。

1 FOMCって何の略?

 FOMCは、Federal Open Market Committeeの略です。日本語では、連邦公開市場委員会と言います。たまにニュースなどで聞いたことありますよね?

 

この委員会はアメリカの中央銀行FRB(Federal Reserve Bank) が行う金融政策を議論する会合です。日本でいうと日銀の金融政策決定会合です。欧州だと、ECB(European Cental Bank) 理事会に相当します。

 

国の景気の状況を見極め慎重に金融政策を行うためににFOMCのメンバーが集まって話し合いをし、会合で決まったことが発表されます。

2 FOMCの開催日は?

 FOMCは約6週間に一度、年8回開催されます。会合は通常2日間連続で行われ、2日目の会合が終了した後に声明文が公表されます。そして現在は会合後にFRB議長の記者会見が行われます。

3 FOMCのメンバーは誰?

 FOMCは、FRBの議長と副議長を含む理事と各地区の連銀総裁が出席して、金融政策に関する議論を行ないます。そして、政策決定に関しては投票権を持つメンバーが票を投じます。投票権を持つのは議長、副議長を含む7人の理事と、輪番で決められている5名の地区連銀総裁たちです。5人の地区連銀総裁のうちニューヨーク連銀総裁は常に投票権を持ち、残りの4名の投票権は1年おきに交代する仕組みになっています。

向こう3年間のFOMCメンバーは決まっているのでわかりやすい表を載せておきます。

引用:みんかぶFX

引用:みんかぶFX

4 FOMCで何を決めるの?

 現在の景況判断をし、政策金利の上げ下げの方針などを決めます。FRBが決める公定歩合よりも、FOMCが決める短期市場金利・FFレート(Federal Fund Rate)の誘導目標の方が重要度は高いです。

5 FOMCはなぜそんなに重要なの?

米ドルは世界の基軸通貨です。その基軸通貨を司るアメリカの中央銀行が発表する金利の引き上げや引き下げは世界中から注目されます。金利が引き上げられるときは景気が良く、米ドル預金金利も高くなるためドルは買われやすくなります。金利が引き下げられる時はこれとは反対の状況なのでドルは売られやすくなります。通常お金は金利の高いところに向かって集まるので、金利が低い国から金利が高い国へお金は流れます。

6 FOMCのメンバーの発言が為替市場に与える影響

ニュースなどでFRBの高官の発言で為替市場が動いたことを伝えていたりしていますよね。この仕組みを解説します。先ほど説明したようにFRBの高官はFOMCに参加するメンバーで金融政策を議論する人たちです。そのため彼らの発言は少なからずアメリカの金融政策を実際に変更する役割を担っているのです。

 

そのため、FOMCメンバーがタカ派的な発言をすると利上げ期待が高まりドルは買われやすくなります。一方でハト派的な発言を行うと利下げへの思惑が強まりドルは売られやすくなります。ちなみにタカ派というのは景気に対して強気なスタンスをしていて利上げ賛成派で、ハト派は景気に対して慎重なスタンスで利上げ反対派です。

7 FOMCのドットチャートとは?

ドットチャート(ドットプロットチャート)は、FOMCに参加するメンバーによる未来の経済予測のことです。3の倍数の月のFOMCで発表されます。具体的には翌年、翌々年などの年末の段階で、物価上昇率や失業率、GDPなどの経済ファンダメンタルズがどのような数字になっているのか、各メンバーの予測を集計したものです。

 

下のチャートは、FOMCメンバーが将来の政策金利がどの水準にあるか予測をしたものグラフに表したものです。

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引用:FRB(ドットプロットチャート)

FOMCメンバーの将来の金利予想が前回に発表された時より上振れしていると、利上げ期待が高まりドルは買われやすくなる傾向にあります。逆に下振れると利上げ期待の低下や利下げへの懸念が強まりドルは売られやすくなります。

 

ただし、経済指標発表時の反応と同様に市場参加者の事前の予想と同程度の結果だった場合は、その段階ですでに織り込まれていることもあり、金利予想が前回発表された時より上振れ(下振れ)ていたとしても、米金利市場や為替市場の反応が限定的で大きく動かない場合もあります。

8 FEDFRBの違いは何か?

新聞やニュースでFEDFRBをいう略語を見たことがあるかと思います。これはどちらも米国の中央銀行に関連する言葉です。

 

FED=Federal Reserve System(連邦準備制度

FRB=Federal Reserve Board(連邦準備制度理事会

 

FEDアメリカの中央銀行の制度で、FRB中央銀行の政策決定をしている組織です。

 

そしてもう一つ重要なのはFRBは2つの略語になっているということです。

 

Federal Reserve Boardと、Federal Reserve Bank連邦準備銀行)です。アメリカにはこの連邦準備銀行が12行あります。ボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアクリーブランドリッチモンドアトランタ、シカゴ、セントルイスミネアポリスカンザスシティ、ダラス、サンフランシスコにそれぞれある地区連銀です。

 

アメリカは日本とは違い連邦制の国です。1つ1つの州の独立性が強いのと同じように地区によって連銀が設置されているのです。中央集権的な日本と比べて全米を12の地区に分けて国の金融制度をうまく機能させようとしているのです。

9 FRBの2つの責務(デュアルマンデート)

FRBの果たすべき使命は2つ存在します。それは「雇用の最大化」「物価の安定」です。FRBはこの2つを達成するために金融政策を調整しているのです。

 

現在のアメリカは失業率は約50年ぶりの低水準にあり完全雇用状態にあります。FRBの「雇用の最大化」の責務は十分果たしている状態と言えるでしょう。もう1つの責務である「物価の安定」も直近の物価上昇率FRBがターゲットとしている年率2%近辺を推移しています。

 

FRBは金融政策を決定する上でこの2つのことを重要視しているため、市場参加者もこれらの経済指標には特に注目しています。雇用統計CPI、PCEデフレーターなどは特に注意してみることが重要です。

10 まとめ

FXや株式投資など個人で資産運用する場合、一番大切なことはアメリカの金融政策を理解することです。FRBは世界の金融市場の番人であり、カジノのディーラーのような立場といってもいいかもしれません。

 

FRBアメリカの金利の水準を決めていて、基軸通貨である米ドルが上下するわけです。それによって他の通貨も変動します。金利が上げ下げされれば、企業が借り入れするローンや個人が家を買うときに借りる住宅ローンの金利も変動します。当然企業業績や個人消費などにも影響するので、株式市場なども影響を受けることになります。

 

アメリカのGDPは世界の25%を占めています。世界最大の経済大国であるアメリカの金利水準が変わることで金融市場は反応し、それが主要国や新興国へと影響を及ぼすことになります。資産運用を真剣に考えるのであれば、アメリカの金融政策の変化に注目することをオススメします。