皆さんこんにちは、英学です。
英語はネイティブのリアルな発音に触れた方がいいに決まっているという考えから英会話教室に通っている方も沢山いると思います。英会話教室はアウトプットの機会を与えてくれるにはとても場所です。自分が覚えた単語やフレーズを積極的に試す場として活用するのであればとても良い実践の場となります。でも英会話教室に通うだけではリスニング力は思うようには伸びません。
僕は学生時代TOEIC980を達成して新卒でアメリカの金融機関に就職しました。でも当時は米企業のビジネスマンとして仕事で使えるレベルの英語力はありませんでした。
中でも聞き取れないことはしょっちゅうでした。聞き取れなければ自分から意見や感想を思うように言うことも出来ない日々が続きとても苦労しました。試験で英語が出来るレベルとアメリカの企業で仕事をする英語のレベルには格段の違いがあることを思い知らされました。
今では英語学習のコーチとして英語学習者に英語の勉強やトレーニングのやり方を広めていますが、これまで長い間外銀のビジネスマンとしてどうやって仕事で使える英語を身につけることが出来るのかを試行錯誤してきました。
今回は僕がこれまでに色々試して辿り着いた効果的なリスニングのトレーニングのコツを5つ紹介します。
リスニング力を伸ばすことは単語力、文法力、発音、情報処理能力など沢山の総合的な力を身につけることに等しく、英語力そのものが総合的に向上します。
この記事で紹介する5つのコツを知らないでただ聞き流していてもあまり効果は得られません。むしろ大切な時間を無駄にしてしまいます。
英語は勉強をしなければならない部分は2割くらいと思っています。残りの8割は実際の英会話の場を含めて自主トレーニングです。
週にたった1回や2回しか英語に触れないだけではリスニング力向上に十分とは言えません。
ではどうすればいいのか?
この記事では「リスニング強化の方法を知りたい」、「とにかく英語が聞き取れるようになりたい」と思っている方に是非読んで頂きたいと思います。
これから紹介する「英語が聞き取れるようになる5つのコツ」を理解して自主トレーニングをすれば必ず英語のリスニング力が向上するようになりますので是非最後までご覧下さい。
【目次】
- 英語が聞き取れるようになるコツ:1 基本的な英単語やフレーズを覚える
- 英語が聞き取れるようになるコツ:2 英語の正しい発音を聞き取れるようにする
- 英語が聞き取れるようになるコツ:3 英語の音の特徴に触れる
- 英語が聞き取れるようになるコツ:4 英語は単語が複数つながることで発音が変わることを理解する
- 英語が聞き取れるようになるコツ:5 英語のスピードに耳を慣らしてついていける状態にする
- まとめ
英語が聞き取れない状態から聞き取れるようになるためには超えなければならないいくつかのハードルがあります。おそらく英語が聞き取れない理由には以下のようなものが考えられますよね。
・ある程度単語やフレーズを知っているか?
・単語や文章の発音が分かっているか?
・英語の音に慣れているか?
・英語を文章として聞き取れるか?
・英語のナチュラルスピードに慣れているか?
英語が聞き取れるようになるコツ:1 基本的な英単語やフレーズを覚える
英語の聞き取りにはある程度の単語力とフレーズを知っていければなりません。英語は言語なので単語・文法・発声から成り立っています。日本の英語教育が批判にさらされてしまうのは単語と文法そして読解などに比重が偏っているからですよね。
でも言語なので音の部分もとても重要です。まず単語やフレーズを発声と共に覚えることをオススメします。
文字を見て分かるだけではダメで、音を聞いて分かる状態にすることがとても大事です。「見て分かる」→「聞いて分かる」ようにならないと聞き取れません。
逆に音が聞けても意味が分からないようではそれこそ意味がありませんよね。単語やフレーズは常に発声(音)と共にインプットするように心がけましょう。
効果的な覚え方としてはイメージに結びつけたりして反射的に意味が頭に浮かぶようにすることです。一生懸命考えないと出てこないようではテストでは答えることが出来ても、リスニングや会話の時にそのようではスムーズなコミュニケーションは出来ませんよね。
キチンと正しい発音を聞いて、それをマネして声に出す練習を繰り返し続けることが一番効率的です。一生懸命覚えようとするのではなく、覚えようとしなくても良いので、何度も練習する回数が大事です。
人間は忘れる動物です。記憶に長く留めるためには何度もその状況に出くわすことが重要だとされています。忘れては繰り返すを続けて覚えることが王道というのは研究の結果などでも明らかになってきています。
単語の効果的なインプットの仕方についてはこの記事に分かりやすく書いていますので是非参考にしてみて下さい。 ↓↓
単語は知っているけれど、フレーズを知らないから聞き取れないという場合も多いかと思います。
たとえば
「The train was behind the schedule.」
(電車は遅れていた。)
このような簡単な単語で構成されている文章に(behind the schedule=予定より遅れている)という知らないフレーズが入っていたとしたら聞き取れたとしても意味を理解することが出来ませんよね。
知っている単語が聞き取れること、そして知っている単語で構成されているフレーズや慣用表現を覚えて、聞き取れるようにすることは聞き取りの第一歩になります。
英語が聞き取れるようになるコツ:2 英語の正しい発音を聞き取れるようにする
英単語もフレーズもある程度は知っているし、文法も中学英語くらいなら分かるという方も多いかも知れません。
でもなぜか英語を聞くと意味を伴った音として聞き取れないことってありますよね。
これは自分が覚えた発音と正しい発音がズレているからです。せっかく覚えたはずの単語やフレーズがカタカナ英語のままインプットしていたり、キチンとした英語の発音じゃなかったら英語は聞き取れません。
正しい英語の発音と自分が覚えた発音がうまくマッチしていない状態だとしたら正しい発音を覚え直す必要があります。
でもこうなってしまうと二度手間ですよね。
このようなことにならないためにも、単語やフレーズを覚える時ははじめから正しい発音で音声とセットでインプットすることをオススメします。
正しい発音を覚え直したい時 (覚える時) には、音声を聞いて自分でマネして発音するようにしましょう。
単語を聞いてそれをマネして声に出して言うメリットは、正しい発音をしなければならないと思って聞くので、聞くときの集中力が上がり、リスニング力強化につながります。
またイントネーションの強弱やアクセントの場所など、単語やフレーズの特徴をつかみやすくなります。このように正しい発音を身につけるとリスニングだけでなく、スピーキングのスキルも上達するのでとても効果的です。
英語が聞き取れるようになるコツ:3 英語の音の特徴に触れる
単語やフレーズをアクセントやイントネーションとセットで覚えることが出来たら、次は実際の英会話で慣れていく必要があります。
英会話そのものに慣れないことには英語を聞いた瞬間に何に注目して話を聞いていいか分かりません。これではコミュニケーションが成り立ちませんよね。そこで英語特有の音の特徴に慣れるためのトレーニングが必要になってきます。
イントネーションや微妙なニュアンスは実際の会話の中にしか存在しないものもありますよね。それらの違いに気づくことが出来ないと同じ文章でも意図が変わることもありますよね。このような英語の音の特徴に慣れるためには音読がとても効果的です。
僕が学生時代に英語の成績が飛躍的に伸びるようになったきっかけは音読の継続でした。あまり英語の勉強などしなくても毎日英語の教科書を音読して英文を見ないでも言えて、書けるような状態になっていました。
英文を見ないでも言うことが出来ればスピーキングが出来るようになるし、英文を見ないで書ければライティングが出来るようになります。そして何よりもスラスラと口をついて言える英文は、聞き取れる英文ということにもなるのでリスニング力も同時に強化されました。
音読はこのように一石二鳥以上の効果があるので、リスニング力を上げるために是非やってみて下さい。
当時やっていた音読のやり方は、まず英文を見ながら英語の音声を聞いて自分でも声に出して繰り返します。これを「リピーティング」といいます。そして英文を見ながら音声と同じスピードで音読します(オーバーラッピング)。最後は英文を見ないで音声のすぐ後を影を追いかけるようにマネして音読をします(シャドーイング)。
この3段階の音読がキチンと出来たら新しい文章に取りかかるようにするのですが、僕の経験では最低でも100回くらいは同じ文章を繰り返し音読していました。これは逆に言うとシャドーイングがキチンと出来るまでに最低でもこのくらいかかるということです。
まずリピーティングでは英語の音を聞いて正確にマネをすることを意識しました。
次にオーバーラッピングでは英語の音声と重ねて話すので、発音やイントネーション、アクセントやリズムを感じながら音読します。正しい英語の発音と自分の発音や発声の間にズレがあることに気づかせてくれます。このようにオーバーラッピングはより生の英語に近づくために集中的に練習することができます。
最後シャドーイングでは、英文を見ないで音声だけを聞いてマネするため、聞ける英語だけしかマネが出来ません。正確に聞くことが出来ない単語やフレーズがないかを確認することが出来ます。
英語が聞き取れるようになるコツ:4 英語は単語が複数つながることで発音が変わることを理解する
英語では2つ以上の単語がくっつくと発音が変わってしまうことがよくあります。
たとえば、
「I want to play the piano.」
(アイ・ワントゥー・プレイ・ザ・ピアノ)
という文章が、
「I wanna play the piano.」
(アイ・ワナ・プレイ・ザ・ピアノ)
のようになめらかにつなげて話されます。
(ワントゥー)が(ワナ)になってしまうのが英語の音の変化です。このように音が変わる場合もあれば、音が省略されて聞こえない場合もあります。
英語の音の変化に慣れるためにはシャドーイングがとても効果的です。でも先程説明したようにシャドーイングは音読の3段階の中で一番難しい3つ目の方法なので、いきなりシャドーイングでマネしようとしてもなかなかうまくいきません。
自分が話すのに一生懸命になってしまい、しっかり音を聞くことなんか出来ない状態になってしまいます。なのでまずリピーティング、次にオーバーラッピング、そして最後にシャドーイングの順でトレーニングすることをオススメします。
英語が聞き取れるようになるコツ:5 英語のスピードに耳を慣らしてついていける状態にする
会話のスピードが速いと、頭の中で情報処理が追いつかない状態ってありますよね。このような状況は英語に限らず日本語で会話をしている時などにも起きることです。
リスニングのテストの時に聞いたばかりの英語を理解して答えを探しているうちに、次の問題に進んでしまう経験ってありますよね。僕は何度もこのような状態に苦しみました。そして今でも馴染みない内容の英語を聞く時はよくこのような状態に陥ります。
単語力はある、音の変化も音の特徴も慣れてきたけど、スピードについていけない。このことは情報処理能力や言語操作能力が十分備わっていないことが考えられます。
特に頭の中で和訳をしてしまうクセがある人は、どうしても英語のナチュラルスピードにつけなくなってしまいます。この場合は情報処理のスピードを上げる必要があります。
まずは和訳をせずに英語の意味をイメージしながら英語のまま把握するようにしましょう。音読をするときにもこのことを意識しながらトレーニングすると情報処理のスピードは上がっていきます。
そして最終的に意味をしっかりと把握しながらシャドーイングが出来たら英語を英語のまま聞いた瞬間にリスニングが出来ていることになります。最初は意味をあまり意識せずに音の特徴だけをマネするシャドーイングでも構いません。でも徐々に余裕が出来てきたら英語の意味を意識しながらシャドーイングをするようにして下さい。
これが出来ると瞬時に情報が処理出来ていることになり、英語を聞いた瞬間に聞き取りが出来る状態になります。
まとめ
僕は学生時代、英語に自信がありました。社会に出て英語を武器に戦っていける準備は出来ていると思っていました。でもいざアメリカの企業に入社してアメリカ人に囲まれて仕事を始めたら英語が聞き取れないために、何度も悔しい思いをしました。
僕がこれまで英語学習で試してきた方法や経験を価値として提供することでより多くの英語学習者の役に立てることを願っています。
「英語が聞き取れない」という思いをしている英語学習者の方には、この記事を読んで一刻も早く、効果的なトレーニングを始めて頂きたいと思っています。
自分の弱点を知った上で効果的なトレーニングをすることで、必ず英語は聞き取れるようになります。
英語は「勉強が2割、トレーニングが8割」です。僕はこれからもずっと英語学習者です。一緒に自主トレーニングを頑張っていきましょう!
もし英語学習法で分からないこと、聞きたいこと、解決して欲しいことがあればブログやYouTubeでお伝えしていくつもりです。
それ以外に何かご質問、ご意見などがあればいつでもTwitterのDM(@blogbloglife)にご連絡下さい。
最後まで読んで頂きありがとうございました。